副業編・隠していた理由

結局、一年位キャバ嬢として働いていたのだが、クラブを辞める1ヶ月前になるまでキャバクラ勤務をしていた事は秘密にしていた。日本にいる仲の良い友達数人と母親、主人だけがこの事実を知っていた。(ご主人、反対しないの?との質問が飛んできそうだが、また別の話になるので、今回は割愛)

何故隠していたかというと、昼間の仕事でミスやヘマをした時に「ほら、夜働いてるから!」と揚げ足を取られるのが嫌だったからだ。また、足元を見られるんじゃないか、偏見を持たれるのではないか、という懸念も同時にあった。なので、本当は源氏名を本名と掛け離れた派手な可愛い名前にしたかったが、本名と大差ない源氏名となった。(スカイラーなのでスカイちゃん、と同じ要領)この理由は、私がクラブで働いている事を知らない友人と街を歩いていて、お客さんや同僚と擦れ違った時に源氏名で呼ばれるとマズいからだ。スカイラーなのに「いちごちゃん!」と呼ばれてしまったら、あら大変。あんた、なんで、いちごちゃんなの?と、なってしまうのを恐れたからである。もっと言うと、フェイスブックで連絡を取りたがる顧客がいた。アカウントは持っていない、とはぐらかしていたものの、アカウントを作れとしつこかった。かくいう私はフェイスブック依存症、客をフレンドにしてしまうと既婚者であることがバレてしまい、もうクラブで働けなくなる。なので、わざわざ客用のGmailアカウントからフェイスブックの別アカウントを作成し、普段は絶対に使わない上目遣いのキメ顔写真(アー写と私は呼んでいる)を使用、誰とでも友達になれるフェイスブックグループに登録し、見ず知らずの人達にリクエストを送って架空の友人を作って怪しまれないように徹底した。我ながら用意周到だ。おかげさまで、クラブで働いていた約一年間、誰にも気付かれないまま副業をこなせたのである。余談だが、顔写真を載せているので、たまに本物の友人が勘違いしてフレンドリクエストを送って来るので、チョット焦る事がある。(本物のアカウントは顔写真を載せていない)

出版社での地獄のサービス残業、週末に小売り店でのアルバイト、キャバ嬢を週2-3回。仕事を掛け持ち3つ、恐らく、人生で一番良く働いた一年になるであろう。

皮肉な事にキャバ嬢だった経験を友人にカミング・アウトしてみると、不思議と距離が縮まった。これは、私の勝手な思い込みなのかもしれないが。女の子は夜の世界に少なからず興味があるので、質問が飛び交い、話が弾む。中には、私も昔やってた!などの展開になったりした。大学時代の男友達にカミングアウトしてみた時も真面目な君がどうして?と、興味津々で質問攻めに遭った。(お前がドレス着て媚び売ってる姿が想像つかない、とのこと)色眼鏡で見られるのを覚悟で、色んな人にカミング・アウトをしたのだが、あらそう、大変だったわね、と、思いの外あっさっりした反応が多かった。もしかしたら、内心は引いているのかもしれないけれど、実際そのような印象はあまり感じなかった。

元々、隠し事が苦手な性格なので、クラブでの経験を告白した瞬間に肩の荷が降りた。同時に、上記の如く私のこの経験に興味を持ってくれる事をきっかけに友達との仲が深まった事もまた、キャバクラを経て手に入れたポジティブな要素の一つだと思う。

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