自己啓発セミナーというか新興宗教に片足突っ込んでた話・後日談

つい先日、例の教団を通じて知り合った友達のポール(仮名)と半年振りに再会した。私と主人と3人でモダン・ダンスを観に行ったのだ。

ポールは教祖・ジョニーに相当献身していた、側近中の側近の一人だ。しかし、数ヶ月前に持病であるアスペルガー症候群の症状が酷くなり、精神が崩壊寸前となった。実家で療養する事も含めて、教団をしばらく離れるという決断に至ったらしい。私はこの話を聞いて驚いた。あのポールが…。

ポールの口から「ダンスが始まるまでは、どっかで飲もうか。」と聞いた時は驚いた。私は彼と知り合ってかれこれ4年目なのだが、お酒を飲んでいる姿はどうしても思い出せない。飲酒はダメではないが、よりハイレベルな生徒になるには控えるように、というのがジョニーの教えだったのだ。性欲も捨てれば捨てる程、もっと自分が見えるとの教えもあった。彼はそれらを忠実に守っていたのだ。

酒を交わしながら、教団を離れた本当の理由をぽつりぽつりとポールは話し出した。

要点をまとめると、

☆教祖が決めたハードなエクササイズを1時間・瞑想を2時間、毎日こなさなければならない

☆プライベートよりも家族よりも自分自身よりも何よりも、教団への献身が第一。

☆もちろんイベント計画・運営、定例ミーティングなどの布教活動も熱心に行うこと。

☆自分だけが飛び抜けたクリエイティブな才能を、教団内で発揮してはならない。コミュニティの一員として、教祖と生徒のかかわり合いの時間を第一に、平等に暮らさなければならない。(ポールはミュージシャンなので辛かった)

☆僕が失業して困っていた時には、九時五時で良い給料の仕事を見つけて、空いた時間で教団に貢献しろと言われた。しかし、上記の掟を守らなければならないので、自分の時間はおろか、就職活動の時間さえもない。

☆自分の時間が欲しいという考えは傲慢なエゴイズムであるとうのが教祖の教え

☆お金が底を尽きて家賃が払えず追い出され、ホームレス寸前になった。オンラインで知り合った、訳の分からないオッサンの家に身を寄せたりもした。食べ物を買うお金もなく、飢え死にしそうになり、最終的には精神が崩壊したので実家に逃げ帰った。

もう一つ気になっていた話、私たちが良く遊ぶ仲間のリア(仮名)が教祖からレベルを下げるように指示された真相を教えてくれた。

何でも、リアは別の団体”M”(自己啓発セミナー)での活動も始めたらしい。まあ、私に取ってはどっちも似たり寄ったりの怪しい集団である。リアはMでの活動にとてもエキサイトし、相当力を入れていたようだ。新興宗教を二足のわらじである。それを知った教祖・ジョニーが「我が教団に取って、そのような行為は適切でない。」と、彼女の宗教レベルを下げたとのこと。生徒から自分へ、全身全霊の献身があってこそカリスマティクなリーダーになれるのだ。ゆくゆくは歴史の教科書に載るような、世界のリーダーをジョニーは目指しているので、リアの行為は彼のプライドを傷つけてしまったのだろうか。ご存知の通り、我が祖国、日本は多宗教国家なので誰がどの宗教をどんだけ信仰してようが個人の自由である。

この概要を聞いた私は笑いながら思わず「仏教ってか共産党じゃないの!」と口にしてしまった。ポールもまた笑いながら「ほんと、ある意味その通りだよね。」と同意してくれた。そう、彼は解脱したのだ。

ポールはオブラートに包んだ話し方ではあったが、こういったエピソードに違和感を抱いているのは明らかであった。もう知り合って4年も経つのに、初めて彼と友達になれた気がした。お互いに腹を割って教団への疑問点を正直に話し合った。そして、教団の活動を抜きに語り合ったのは恐らくこの日が初めて。彼は同性愛者なのだが、カッコイイ男の子が通り過ぎた時は「思わず目で追っちゃったよ。」なんて気の利いたジョークも飛ばしていた。私が得意なポルノの話もしたし、ゲイのセックスライフについても色々と教えてくれた。来月、ポールはうちから4ブロック離れた所に引っ越して来るらしい。彼とは、これからは本当の意味で仲の良い友達になれる気がする。

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