ノーパンしゃぶしゃぶで日本と米国のエロスを考える

しゃぶしゃぶが食べたい、とTwitterで呟いたところ、知人から「お前の事やから、どうせノーパンしゃぶしゃぶやろ?」と返信がきた。久しぶりに聞いた単語である。

平成生まれの皆さんはご存知ないかと思われるが、財務省がまだ大蔵省だった頃、悪徳政治家達が接待でノーパンしゃぶしゃぶ店で食事をし、経費(要するに私達日本国民の税金)でツケていたという、真面目に生きて税金を払うのがアホくさくなる事件である。

そもそも、ノーパンしゃぶしゃぶとはどのような店か、おさらいしてみよう。
私が覚えている限りだと、

  • しゃぶしゃぶが出されるお食事処
  • ウエイトレスが超ミニスカートにノーパンの制服で接客
  • 床が鏡張り(故にスカートの中身閲覧可能)
  • 高い位置に酒瓶などが置かれており、ウエイトレスが背伸びした時にチラリズム
  • 性的な接触•直接的なサービスはない

Wikipediaを見てみると、似たような事が書いてあった)

なるほど、「ちょっとエッチな料理店」であり、風俗店ではないので「食事代」として経費で落とせた訳か。若くて美しい女性の裸に携わると、親父どもは、たちまち賢者にレベルアップするらしい。三人寄れば文殊の知恵だ。こんなスマートな発想が出来る頭のキレの良さが、日本を良くする為に使われなかったのが残念極まりない。

それにしても、「若くて可愛いお姉ちゃんがノーパンで接客して、たまに中身が見えるけど触れない。しかし、それを肴に旨い肉を食らう」文字通りの酒池肉林。このキワキワ寸止めサービスを思いつき、それを利用し、悦に浸る。この日本国民のねっとりとしたエロスには脱帽である。

米国で言うところの、ストリップクラブと似たようなものであるが、ストリップクラブの場合、「お姉ちゃんの裸踊りを観に行く」という明確なエロい目的がある為、ノーパンしゃぶしゃぶ程ねっとりとした、歪曲したイヤらしさは感じられない(もちろん経費でも落とせない)ストリップクラブも踊り子に触れるとガタイの良い怖いお兄さんが止めに入り、しつこく触れた場合は退場(下手すればボコボコにされる)となる。しかし、ストリップクラブによっては「特別室」が設けられており、追加料金を払えば「マッサージサービス」を受ける事も可能らしい。このマッサージが何を意味するのか、どこまでマッサージしてくれるのかは、嬢との交渉次第とのこと。私がとある利用客から聞いた話によると、嬢から「このあと、プラス$600(約6万円)で好きにしていいわよ」と言われ、くらりと来て迷ったけど高いので辞めた、との事。「このあと」とは、嬢が仕事を終えてからを意味するので、クラブは管轄外なのだ。故に、困った事があったとしても誰も守ってくれないので、嬢にとっても客にとっても危険である。

少し話が脱線してしまったが、アメリカのエロカルチャーを代表するストリップクラブは堂々と「エッチなお店」のレッテルが貼られているので、さしてイヤらしくないのである。「お食事処だけど、女給がパンツを履いていなくて床が鏡張り」は、エッチをはるかに超え、狂った、湿った卑猥さを感じ、よりスキャンダラスである。

こういった日本特有の陰湿な淫猥さというのは、島国ゆえの閉鎖的な環境から来ているのではないか、と私は思う。日本は(表向きは)性的な物事は御法度とされている。そして、このような水面下で出来上がったエロカルチャーは、すべての外国人が「ジャパン•イズ•ヘンタイ」と太鼓判を押すぶっ飛び具合なのだ。

例えば、アダルトビデオ。豊富で、マニアックな幅広いジャンルがある割にはモザイクが掛かっている。
モザイクの向こう側の想像力を掻き立てる為にマニアックな作品が粒ぞろいなのだろう、と想像出来るが、正直モザイクの意味がないくらいぶっ飛んだ内容が多過ぎると私は思う。モザイク有りの日本製AVを観た後で洋物ポルノを観ても物足りないのだ。「Bukkake – ぶっかけ」「Hentai – へんたい(=アニメポルノ)」このようなAV用語は海外でも「Tsunami – 津波」や「Karaoke – カラオケ」と同じ要領で流通している。モザイクという、どうでもいいラインで規制する日本の性に対する価値観が正直理解出来ない。

余談であるが、ある日タイムズスクエアを歩いている時に「Body Sushi」と書いた看板を発見した。
上記にもあった、とあるストリップクラブが、どうやら「女体盛り」を逆輸入したらしい。Body Sushi、なんの捻りもない。英語にしてしまうと呆気ないものだ。(ちなみにこちらのお店、HP開いた時に思わず吹き出して笑ってしまった。和訳で「日本の古代芸術•女体盛り」となっている。ウケ狙いなのか真剣なのか。筆者は腹がよじれて死にそうである)ノーパンしゃぶしゃぶに続き、日本人は食と性をくっつけるのが好きらしい。人間の三大欲求の2/3を一度に満たせてしまう優れものである。残りの1/3の純情な感情はSIAM SHADEに任せておけばいい。

このような日本特有のねっとりとねじ曲がった、ぶっ飛んだエロカルチャーは、ある意味芸術の領域なんじゃないか、と思ってしまうぐらいにクリエイティブである。しかしながら、私も海外で生活するまで、我が祖国のエロ変態文化が度を超えたものであると認識していなかった。島国というのは恐ろしいと、改めて私は思う。

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